嘘 西日だけが己を照らす 日没前の同情的な照射だ 日照のせいだといくつもの文字が言う 文字が言うのだから正しいのだろうと 何も考えない頭で考える 金色の男が飢えるべきと歌う もうそこには行く気がない 懐疑的な温度が止まる 早く新しいものが欲しいと鳴く 外にも中にも垢ばかりが溜まり続ける 指先で止めると途端に毒を吐き出すが 扉を開けて逃げるのだ 金色の男が走るべきと歌う 足がなければ仕方ない かつてそう言う事があったようだが 今は二本足が二本足に乗って 鍵はいくら探しても出て来ずに 鞄は四次元のさなからしい でも忘れないことはいいことだ 寒さ 他人 己 今はもう退屈だ あんたはいつも同じ事しか歌わない