糸杉 数え日や 惑い飼う子の 涙落つ 鳥は降り立ち天結び 訪れた虚無は手に余る 小春日和はとうに過ぎ 雪の色さえ嫌いになった 山眠る つないだ筈が あだ情け 床しい香りも見ぬふりし 後に残るは未練だけ 極まれる月に風冴ゆる 二十と三つが嫌いになった 雪しづり 己をうつす 心中 香雪蘭(こうせつらん)にあれ 疾うに お前のことなんて、忘れてしまったよ お前のことなんて、忘れてしまったよ…